ドキュメンタリー感想 - われらの再出発〜失業サラリーマンたちの6か月〜 - 時をかけるテレビ〜今こそ見たい!この1本〜
たまたまNHKで流れていたのを視聴。
90年代の映像を懐かしむノスタルジー番組かと思いきや、面白くて最後まで食い入るように観てしまった。山田洋次はこの番組がきっかけで映画「学校III」を作ったとのこと。
もしかしたら将来、自分もウェブエンジニアというキャリアを捨てる日がくるかもしれない。その時、自分はどうなるのだろう?
以降、番組への率直な感想。
自分がこの番組から学んだことは、人間関係、健康、前向きな心、の大切さ。
番組に出演しているおっさんたちは皆、職業訓練校に入学した直後はお互いあまり話さずに距離を取って冷めている。でも、同じ屋根の下で勉強しているうちにだんだんと互いに打ち解けていって、教室が熱気を帯びてくる。この雰囲気なら大丈夫だ。前向きでな気持ちを持つことができて、身体が健康なら何とかなる。
出演者の1人に井伊さんというダメダメの代名詞のような人がいる。この人の属性だけ見ると、もうダメダメな感じ。50代ぐらいかな?まず禿げている。職人上がりで勉強(筆記試験で点が取れない)ができない。鈍臭い。離婚して息子と2人暮らし。残されたローンを月々返していく必要があるが、月の支払いの半分ぐらいを息子が持っている。家の中も若干汚め(でも猫が可愛い)。
しかしながら、井伊さんという人が決してダメダメな人ではなく生命力溢れる力強い存在なのかもしれない、ということは、井伊さんの周囲の人を見るとわかってくる。
井伊さんの息子がめちゃくちゃ良いやつ。この息子を育て上げ、この息子から見捨てられることなく、良い感じに2人暮らしができているという事実が、井伊さんがこれまでどんな人生を歩んできたのかを物語っている。色々あったんだろうけど、井伊さんはダメなやつではないんだろう。むしろ、井伊さんには人がついてくる魅力があるんだろう。番組中ではそこまで描かれてはいないけどね、まぁ知らんけど。
井伊さんは勉強ができないので、教室の生徒の中で、井伊さん1人だけがボイラー試験に受からない。そんな中で勉強のできない井伊さんを助けてくれる先生やクラスメート(遠藤さんだったかな?)が現れる。先生は補講をしてくれたり、遠藤さんは夜遅くまで居残り勉強に付き合ってくれる。助けてもらえるという事実が、井伊さんが教室の中でどんな振る舞いをしてきたのかを物語っている。本当にダメダメなやつを助けたいと思う奴はいないはず。たぶん、井伊さんは息子同様にいいやつなんだろうな。まぁ知らんけど。
最終的に、井伊さんは無事にボイラー試験に合格することができて再就職もできた。番組的には後味の良い結末を迎える。本当に良かった。